1. DMAH(Designated Marketing Authorization Holder)とは?

DMAH(選任外国製造医療機器等製造販売業者)とは、海外に本拠を置く外国製造業者が、日本国内における薬事上の製造販売責任を委託するために選任する、日本の「第一種または第二種 医療機器製造販売業許可」を持つ法人です。

外国特例承認制度(薬機法第23条の2の17)に基づき、海外メーカーが承認の「権利主体(オーナー)」となり、国内での品質管理・安全管理業務のみを独立したDMAHに委託することができます。

2. 通常の代理店(ディストリビューターMAH)と独立系DMAHの決定的な違い

海外メーカーが日本に進出する際、販売代理店(商社)に承認取得を任せるか、独立系DMAHに委託するかで事業の自由度が大きく異なります。

比較項目 販売代理店がMAHとなる場合 独立系DMAHを選任する場合(推奨)
承認(ライセンス)の保有者 日本の販売代理店 外国製造業者(貴社自身)
販売チャネルの自由度 その代理店1社に独占拘束される 複数のディストリビューターに並行卸売可能
代理店の変更・契約解除 承認の譲渡拒託や莫大な買い取り金リスク DMAHを維持したまま販売代理店のみ変更可能
価格決定権・マージン交渉 代理店主導になりやすい 海外メーカー側が適正な卸価格をコントロール可能

3. 日本参入に向けた実務ロードマップ

  1. 製品のクラス分類と該当性判定:PMDA基準に照らし合わせた製品クラスの特定(クラスI〜IV)。
  2. 外国製造業者登録(FMR):海外の工場・開発拠点を日本の厚生労働省に正式登録。
  3. DMAH契約の締結:品質保証(QMS取り決め書)および安全管理(GVP取り決め書)の法的締結。
  4. 承認・認証申請業務:技術文書(STED)、製品仕様書、試験成績書の日本語ローカライズと申請。
  5. 輸入通関・法定表示ラベル貼付・国内出荷:許可を受けた保管・流通倉庫の整備と出荷判定体制。